パソコンで文字起こし

YouTubeの文字起こしをタイムスタンプ付きで手に入れる方法

YouTubeでは多くの動画で文字起こしを表示できますが、すべての動画ではなく、見られるのもそのページの中だけです。VoiceKeyboardなら動画全体をパソコンの.txtファイルに書き出せます。Proでは各フレーズの頭に[00:12:05]のような時刻が付きます。

VoiceKeyboardの真鍮製のPOWERパネル。真鍮の留め具で固定されたガラスの真空管が、WORDSカウンターの上でオレンジ色に光っている。

YouTube標準の文字起こしで足りるケース

多くの動画では、説明欄から文字起こしを開けます(英語表示ではShow transcriptというボタンです)。字幕が時刻付きの行として一覧表示され、再生に合わせてスクロールします。行をクリックすれば、その場面に飛べます。無料で、インストールも要りません。1本の動画の中で特定の場面を探すだけなら、これで十分です。

ただし、次のような制約があります。ほかの方法を探す人が多いのはそのためです。

  • 字幕のある動画でしか使えません。YouTubeのヘルプにも、全文を見られるのは「any video that has captions」(字幕のある動画)と書かれています。字幕のない動画には、そもそも文字起こしがありません。
  • 自動字幕は、動画のデフォルト言語でしか作られません。途中で言語が切り替わる講演でも、字幕はどちらか一方の言語になります。
  • 文字起こしはYouTubeのページ上にしかありません。手元に残すには手作業でコピーするしかなく、貼り付けると字幕の区切りどおりの細切れの行になります。

フレーズごとに時刻が入ったテキストファイル

VoiceKeyboardはYouTubeの字幕を使いません。動画の音声をダウンロードし、音声認識モデルのWhisperがパソコン上で聞き取って書き起こします。字幕の有無や、投稿者が設定したデフォルト言語には左右されません。

Proなら、FILES画面で「テキストにタイムスタンプ」にチェックを入れます。各フレーズの頭に、そのフレーズが動画の中で始まる時刻が付きます。

英語表示のVoiceKeyboardのFILES画面。Timestamps in the textにチェックが入っている。TRANSCRIPT欄には講義の文が並び、どの行も[00:20:50]、[00:20:56]、[00:21:01]、[00:21:06]のような時刻で始まっている。
各フレーズの頭に、録音内の時刻が[時:分:秒]の形で付きます。.txtファイルにも同じ形式で保存されます。

結果はUTF-8のプレーンな.txtファイルです。Webページ上の文字起こしにはない使い道があります。

  • 引用。Ctrl+Fで文を探せば、すぐ前に時刻があります。それをYouTubeのリンクに付け足せば(例:&t=12m05s)、読み手は引用した場面から再生できます。
  • メモや要約。ファイルをChatGPT、Claude、Geminiに渡して、時刻付きの要約を頼めます。モデルが示せる場面は、テキストに書かれている範囲だけです。
  • 保存。文字起こしをフォルダーにためておけば、元の動画が消えたあとも、何年先でもWindowsの検索で探せます。

Proでない場合は、時刻なしの同じテキストになります。字幕ファイル(.srt)やWord形式では書き出せず、出力は.txtだけです。

文字起こしファイルの作り方

リンクを処理中の FILES: 1 LINK を選択、2 YouTube のリンクが三つ入った URL 欄、3 キャンセルボタンと「LINK 2/3 DECODING 37% CUDA」の表示とバー、4 各フレーズの前に角かっこの時刻がある文字起こし。
LINK 1 LINK、2 リンク、3 進み具合、4 タイムスタンプ付きの文字。

動画のURLをコピーし、VoiceKeyboardでFILESを開いてLINKに切り替え、貼り付けてSTARTを押します。初回は、無料の補助ツール2つ(ダウンロード用のyt-dlpと変換用のFFmpeg)とWhisperモデルをダウンロードしてよいか確認されます。同意するまでは何もダウンロードしません。ステータス行の表示も含めた全体の流れは、YouTube動画を自分のパソコンで文字起こしする方法で説明しています。

認識はCPUで行います。NVIDIAのグラフィックカードがあればそちらを使い、数倍速くなります。動画の処理が終わるのを待たずに、TRANSCRIPT欄で読み始められます。

リンクから文字起こしできないとき

SETUP → アプリの更新の表の二行: 未インストールの yt-dlp と FFmpeg、それぞれにインストールボタン。
SETUP SETUP → アプリで FFmpeg と yt-dlp が入っているかを確認し、インストールできます。

YouTube、Instagram、FacebookなどのSNSや動画サイトは、コンテンツのダウンロード対策を続けています。そのため、この機能がいつでも使えるとは保証できません。今日使えたリンクが、サイト側の仕様変更で使えなくなることもあります。

ログインが必要な動画(非公開、メンバー限定、年齢制限あり)はダウンロードできません。VoiceKeyboardは、ブラウザーでログインしているアカウントを使わないためです。公開動画なのにYouTubeに拒否された場合は、YouTube側の変更に対応したyt-dlpの新しいバージョンがないかアプリが確認し、もう一度だけ試します。それでも失敗したときはメッセージが出ます。たいていは、時間をおいてやり直せば解決します。

対応言語

Whisperは約99言語に対応しています。「自動」のままなら、冒頭の約30秒で言語を判定し、最後までその言語で処理します。判定が外れたときは、LANGUAGEの一覧から言語を選んでください(英語、スペイン語、ロシア語、日本語など12言語が並んでいます)。Whisperは話された言語のまま書き起こし、翻訳はしません。

FreeとProの違い

FreePro
動画リンク1日1件、60分まで件数も長さも無制限、複数のリンクを順番に処理
タイムスタンプ [00:12:05] なし あり
認識パソコン上のWhisperパソコン上のWhisper
出力.txt.txt

Proは月額$14.99、年払いなら月あたり$9.99で、14日以内なら返金を受けられます。途中で失敗した場合や、長すぎて処理できなかった場合は、その日のリンクの枠は減りません。カウントされるのは、最後まで終わった文字起こしだけです。

よくある質問

単語ごとにタイムスタンプを付けられますか?

いいえ。時刻はフレーズ単位で付きます。フレーズはたいてい1文か、その一部です。

再生リストをまるごと文字起こしできますか?

再生リストの中の動画のリンクを貼ると、その1本だけが対象になります。Proなら、必要な動画のリンクをまとめて貼り付ければ順番に処理され、動画ごとに別のファイルができます。

動画が外部の文字起こしサービスに送られることはありますか?

いいえ。音声はYouTubeから直接パソコンに届き、そこで認識されます。ダウンロードした音声は処理が終わると削除され、残るのは.txtだけです。

いちばん多い使い方は、講義やオンライン講座の動画です。進め方は講義の文字起こしと音声メモで勉強する方法で紹介しています。Instagramの短い動画なら、Instagramリールの文字起こしをご覧ください。

日本語表示のVoiceKeyboardの画面。上部バーのLIVEとSETUPのあいだに、動画リンクや録音をテキストにするFILESボタンがある。