公平に比較

DragonとVoiceKeyboardの比較

Dragonは、多くの人が初めて音声入力に触れたソフトです。Dragon Professional v16は、今もWindows向けに販売されています。VoiceKeyboardは、無料プランのある新しい音声入力アプリです。それぞれで何ができるのかを、各社の公式ページをもとに整理しました。

VoiceKeyboardの上部バー。刻印されたVOICEKEYBOARDの名前の隣に、赤いセグメント表示でPROと出ている。

Dragonとは

Dragon Professional v16は、Nuance(現在はMicrosoft傘下)のWindows用ソフトです。製品ページには、Windows 11に最適化され、Windows 10とも互換性があると書かれています(原文は「optimized for Windows 11 and backwards-compatible to Windows 10」)。ダウンロードしたインストーラーでパソコンにインストールするタイプで、メモリは最低4 GB、ディスクの空きは12 GB必要です。

Dragonでできるのは、文字入力だけではありません。ヘルプには、声でプログラムを起動する方法(「Open Microsoft Word」)や、「Click」と言ってメニューを選ぶ方法が載っています。製品ページでは、定型文や署名を挿入するカスタムコマンドや、組織で共有できる単語とコマンドも紹介されています。「another single speaker」(自分以外の1人の話者)の録音を、フォルダー単位でまとめて文字起こしすることもできます。別エディションとして、Dragon Legalもあります。

製品ページに価格は載っておらず、問い合わせフォームか販売店を通じて購入する形です(2026年10月23日にdragon.nuance.comとnuance.comで確認)。

VoiceKeyboardはここが違う

番号付きの四つの枠がある RECOGNITION パネル: 1 LOCAL 側に倒した ONLINE / LOCAL スイッチ、2 GigaAM v3 と表示されたモデル画面、3 クレジット・品質・速度の行、4 LANGUAGES の列。
RECOGNITION 1 ONLINE か LOCAL、2 その側のモデル、3 クレジット・品質・速度、4 言語キー。
  • 無料プランがある。どのエンジンでも1日2,000語まで入力でき、録音1件と動画リンク1件の文字起こしも毎日使えます。Proは月額$14.99(年払いなら月あたり$9.99)で、価格はサイトに載っています。14日以内なら返金できます。
  • エンジンを選べる。オンラインはGoogle(無料)とSoniox(Pro)。パソコン上で動くWhisper、Parakeet v3、Vosk、GigaAM v3、T-oneは、ネットなしで使えます。
  • 対応言語。アプリで選べるのは58言語で、英語やスペイン語から、ヒンディー語、日本語まで含まれます。SonioxとWhisperは言語を自動で判定し、Sonioxは文の途中で言語が変わってもついていきます。
  • 録音と動画リンク。FILES画面では、音声・動画ファイルやYouTubeのリンクを、パソコン上のWhisperでテキストにできます。話者が何人いてもかまいません(ただし、誰が話したかのラベルは付きません)。
  • 軽くて、すぐ使える。オフラインモデルは約40 MB~1 GBです。パソコンにChromeが入っていれば、Googleエンジンはインストール直後から使えます。
  • パソコンの操作ではなく、文字入力のためのアプリ。VoiceKeyboardは、カーソルのある場所に文字を入力します。Proの音声コマンドで句読点、改行、Enter、Tab、自分で登録した語句を入れられますが、声でプログラムを起動したり、メニューをクリックしたりはできません。

比較表

Dragon Professional v16VoiceKeyboard
Windows 10と11 対応 対応
無料プラン 記載なし 1日2,000語
価格要問い合わせ(Contact us)月額$14.99、年払いなら月あたり$9.99
どのソフトにも音声で入力 できる できる
音声でWindowsやプログラムを操作 できる できない
独自コマンドと定型文 あり 自分の言葉とキー(Pro)
パソコン上での音声認識パソコンにインストールして使う オフラインモデル5つ。オンラインエンジン2つは任意
言語製品ページに記載なしアプリで58言語、WhisperのAUTOで約99言語
録音をテキストに 1人の話者、フォルダーごとの一括処理 話者の数は問わず、フォルダーと動画リンクも(Proは無制限)
動画リンク(YouTubeなど)記載なし 対応

Dragonが向いているケース

  • 声でパソコンそのものを操作したい。プログラムを開く、メニュー項目を選ぶ、コマンドで編集する、といった使い方です。ここはDragonの得意分野で、VoiceKeyboardはそこを目指していません。
  • 組織で音声入力をまとめて導入・管理し、共有の辞書やライセンスを使っている。
  • 法律など、Dragonのエディションが想定している分野の仕事で、業務がすでにDragon前提で回っている。

VoiceKeyboardが向いているケース

  • 毎日の文章を音声入力したいが、自分に合うかわかるまではお金を払いたくない。
  • 複数の言語で、または英語以外の言語で文章を書く。
  • 講義、会議、YouTube動画も、同じパソコンでテキストにしたい。
  • 音声はパソコンの中だけで処理したい。価格は買う前に確かめたい。

Dragonと並べて試す

2つは同じパソコンに入れて併用できます。VoiceKeyboardをインストールし、文章を書きたい場所にカーソルを置いてCtrl+1を押してください。このキーがほかで使われているなら、変更できます。ネットなしで音声入力したい場合は、Windowsでオフライン音声認識を使う方法をご覧ください。ほかのソフトとの比較は、Windows標準の音声入力とWispr Flowのページにあります。

日本語表示のVoiceKeyboardの画面。真空管とカウンターのあるPOWERパネル、ONLINE/LOCALスイッチと言語キーのある認識パネル、ライブ文字起こしの画面が並んでいる。