音声はパソコンの外に出ません
FILESは、オープンな音声認識モデルWhisperで文字起こしします。Whisperはあなたのパソコンのプロセッサーかグラフィックカードで動きます。録音はアップロードされず、VoiceKeyboardにはアカウントもなく、あとでどこかのクラウドにコピーが残ることもありません。役員会議や採用面接、弁護士との打ち合わせの録音では、これがいちばん大事な点です。
インターネットが必要なのは最初の準備だけです。Whisperのモデル(75 MB〜約1 GB、1回だけ)と、音声をWhisper用に整える無料のプログラムFFmpeg(約73 MB、同意した場合だけダウンロード)を取得します。その後は、ディスク上のファイルならネットワークなしで文字起こしできます。処理中の作業用コピーはWindowsの一時フォルダーに置かれ、終わると削除されます。
録音を文字起こしする手順
- 上部バーのFILESを押し、SOURCE & OUTPUTでFILEを選びます。
- 「参照...」を押して録音ファイルを選ぶか、エクスプローラーから画面へドラッグします。
- TRANSCRIPT DESTINATIONを確認します。録音と同じフォルダーの.txtが提案され、meeting.m4aならmeeting-transcript.txtになります。別の場所にするには「名前を付けて保存...」を使います。
- LOCAL MODELで「モデルを選択…」を押し、Whisperのサイズを選びます(選び方は後述)。ダウンロードは1回だけです。
- LANGUAGEで言語を選ぶか、「自動」のままにします。
- ▶ 開始を押します。同じボタンが■ キャンセルに変わり、押すと処理が止まります。
SRC、OUT、MDLのランプは、録音、保存先、モデルの準備ができると緑になります。Whisperの処理中はフレーズがTRANSCRIPT欄に順に表示されるので、講義の後半ができる前に前半を読めます。.txtはファイル全体が終わった時点で書き込まれます。同じ名前のファイルがすでにあればそれには手を付けず、新しいファイルの名前に(2)が付きます。
対応形式は、音声がwav、mp3、m4a、flac、ogg、aac、wma、動画がmp4、mkv、mov、webm、avi、wmv、m4vです。動画は音声部分を文字起こしします。
Whisperのモデルの選び方
FILESは常にWhisperを使います。VoiceKeyboardのほかのオフラインモデル(Parakeet、GigaAM、T-one、Vosk)は、リアルタイムの音声入力専用です。Whisperには5つのサイズがあり、大きいほどミスは減りますが、処理は遅くなります。
| FILESでの名前 | サイズ | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 瞬速 · Tiny | 75 MB | 動作確認。まともに使えるのは、はっきりした英語だけ |
| 高速 · Base | 142 MB | 音質のよいシンプルな録音。英語以外はかなり弱い |
| バランス · Small | 466 MB | グラフィックカードのないパソコン。主要言語ならまずまず |
| 最良 · Large v3 Turbo | 547 MB | おすすめ。Large v3に近い精度で、数倍速い |
| 最高精度 · Large v3 | 1,031 MB | 雑音、なまり、複数の話者。低速 |
まずはLarge v3 Turboから始めてください。日本語の録音には、Large v3 TurboかLarge v3が向いています。1時間の録音に時間がかかりすぎるならSmallに、雑音が多く話者が複数いる録音でミスが目立つならLarge v3にします。手元にWhisperのモデルファイル(.binか.gguf)があれば、同じウィンドウの「独自のモデルファイル…」で使えます。サイズの詳しい比較は「オフラインモデルのダウンロード」にあります。
グラフィックカードか、プロセッサーか
VoiceKeyboardの中で、速さがハードウェアに左右されるのがWhisperです。SETUP → ファイルには「自動(推奨)」「NVIDIA グラフィックカード · CUDA」「高速化プロセッサー · BLAS」「通常のプロセッサー · CPU」の4つがあります。「自動」はファイルごとに、使える中でいちばん速いものを選びます。NVIDIAのカードがあれば、Whisperはプロセッサーより数倍速く動きます。CUDAとOpenBLASのエンジンは、速くできる場面で初めて案内が出て、了承した場合にダウンロードされます。
FILESの4つ目のランプ(SRC、OUT、MDLの隣)に、いま使われているものが表示されます。NVIDIAのカードがないノートパソコンでは、1時間の録音をLarge v3 Turboで処理すると長くかかります。Smallを選ぶか、パソコンを使わない時間に始めるとよいでしょう。各方式の確認方法は「ファイルの文字起こしを速くする」で説明しています。
録音の言語
LANGUAGEの初期設定は「自動」です。Whisperは最初の約30秒を聞いて言語を決め、ファイル全体をその言語で処理します。日本語の講演が英語のあいさつで始まる場合などは、判定を誤ることがあります。そのときは言語を自分で選んでください。一覧には12言語があり、表記は英語で、日本語はJapanese (ja)です。一覧にない言語(ヒンディー語など)は「自動」でしか使えません。
長い録音とたくさんのファイル
- 長さ。無料版は60分までの録音、Proは長さの制限がありません。処理の前に、音声は1時間あたり約115 MBの作業用ファイルに変換されます。Windowsの一時フォルダーがあるドライブに空きを確保してください。このファイルは処理後に削除されます。
- 複数のファイル。Proでは「参照...」の画面でCtrlを押しながら選ぶか、複数のファイルを画面にドロップします。ファイルごとに.txtができます。BATCH PROGRESSに各ファイルの段階が表示され、行をクリックするとそのファイルのテキストが見られます。CUDAではグラフィックカードで1つずつ、プロセッサーでは論理プロセッサーが8つ以上あるパソコンなら2つ同時に処理します。
- 処理のあいだ。LIVE画面で音声入力を続けられます。処理中に終了しようとすると、「ファイルを文字起こし中です。終了して文字起こしを中止しますか?」と確認されます。
パソコンで処理するか、クラウドに送るか
| FILES(パソコン上のWhisper) | オンラインサービスにアップロード | |
|---|---|---|
| 音声の行き先 | どこにも行かず、パソコンに残る | サービスのサーバー |
| 速さを決めるもの | プロセッサーかグラフィックカード | サービス側 |
| インターネット | 最初のダウンロードだけ | 大きなファイルでも毎回アップロード |
パソコンが古くNVIDIAのカードもなく、数分以内にテキストが欲しいときは、オンラインサービスのほうが向いています。処理を他社のハードウェアが担うからです。VoiceKeyboardはファイルをどこにも送りません。オンラインエンジンのGoogleとSonioxは、マイクに話した声をリアルタイムで入力するためだけのものです。
ファイルの文字起こしのFreeとPro
| Free | Pro | |
|---|---|---|
| 数 | 1日にファイル1つと動画リンク1件 | 無制限 |
| 長さ | それぞれ60分まで | 無制限 |
| 同時処理 | 1つずつ | 複数のファイル、リンクのキュー |
| タイムスタンプ | なし | あり(各フレーズの前に[00:01:23]) |
| Whisperのサイズ、グラフィックカード | すべて | すべて |
無料の枠は深夜0時に戻り、完了した文字起こしだけを数えます。失敗したファイルや、60分を超えていたファイルでは枠は減りません。FILESは、無料版の音声入力の1日2,000語にも影響しません。Proは月額$14.99、年払いなら月額$9.99で、14日以内なら返金できます。
録音の文字起こしについてのよくある質問
1時間の録音にどれくらいかかりますか?
パソコンとモデルによって変わるため、VoiceKeyboardでは目安の時間を示していません。CUDAを使うNVIDIAのカードはプロセッサーより数倍速く、SmallはLarge v3 Turboより速く動きます。進み具合は、ステータス行のDECODING…の後のパーセントでわかります。
誰が話したかはわかりますか?
いいえ。話者名のない、ひと続きのテキストになります。タイムスタンプ(Pro)があれば、録音の該当箇所を探して聞き直せます。
字幕やWordの文書にできますか?
保存されるのはふつうの.txtです。Wordで開くか、「コピー」で好きな場所に貼り付けてください。.srtの字幕は書き出せません。
動画をリンクから直接文字起こしするなら、YouTube動画を自分のパソコンで文字起こしする方法をご覧ください。VoiceKeyboardがパソコンに何を保存し、何を外に送るかは「プライバシー:パソコンの中に残るもの」にまとめています。