パソコンで文字起こし

音声・動画ファイルをパソコンだけで文字起こしする方法

会議やインタビューの録音には、外に出したくない話が含まれていることがよくあります。VoiceKeyboardはそうしたファイルをWindowsパソコンの中でテキストにします。音声はどこにもアップロードされず、結果は録音の隣に.txtとして保存されます。

暗い机の上の、真鍮の枠が付いた小さな黒いモニター。画面には緑の文字の行が並んで光っています。

音声はパソコンの外に出ません

FILESは、オープンな音声認識モデルWhisperで文字起こしします。Whisperはあなたのパソコンのプロセッサーかグラフィックカードで動きます。録音はアップロードされず、VoiceKeyboardにはアカウントもなく、あとでどこかのクラウドにコピーが残ることもありません。役員会議や採用面接、弁護士との打ち合わせの録音では、これがいちばん大事な点です。

インターネットが必要なのは最初の準備だけです。Whisperのモデル(75 MB〜約1 GB、1回だけ)と、音声をWhisper用に整える無料のプログラムFFmpeg(約73 MB、同意した場合だけダウンロード)を取得します。その後は、ディスク上のファイルならネットワークなしで文字起こしできます。処理中の作業用コピーはWindowsの一時フォルダーに置かれ、終わると削除されます。

録音を文字起こしする手順

  1. 上部バーのFILESを押し、SOURCE & OUTPUTでFILEを選びます。
  2. 「参照...」を押して録音ファイルを選ぶか、エクスプローラーから画面へドラッグします。
  3. TRANSCRIPT DESTINATIONを確認します。録音と同じフォルダーの.txtが提案され、meeting.m4aならmeeting-transcript.txtになります。別の場所にするには「名前を付けて保存...」を使います。
  4. LOCAL MODELで「モデルを選択…」を押し、Whisperのサイズを選びます(選び方は後述)。ダウンロードは1回だけです。
  5. LANGUAGEで言語を選ぶか、「自動」のままにします。
  6. ▶ 開始を押します。同じボタンが■ キャンセルに変わり、押すと処理が止まります。
英語表示のFILES画面(FILEモード)で、3つのファイルを一括処理中。meeting-2026-10-14.m4aは完了、lecture.mp4はWhisper Large v3 Turboがグラフィックカードで処理中、interview.mp3は待機中です。BATCH PROGRESSに3つのファイルが並び、講義のテキストには各フレーズの前に時刻が付いています。
3つの録音の一括処理(Pro)。グラフィックカードでは1つずつ処理され、[filename]のテンプレートでファイルごとに.txtができます。

SRC、OUT、MDLのランプは、録音、保存先、モデルの準備ができると緑になります。Whisperの処理中はフレーズがTRANSCRIPT欄に順に表示されるので、講義の後半ができる前に前半を読めます。.txtはファイル全体が終わった時点で書き込まれます。同じ名前のファイルがすでにあればそれには手を付けず、新しいファイルの名前に(2)が付きます。

対応形式は、音声がwav、mp3、m4a、flac、ogg、aac、wma、動画がmp4、mkv、mov、webm、avi、wmv、m4vです。動画は音声部分を文字起こしします。

Whisperのモデルの選び方

FILESは常にWhisperを使います。VoiceKeyboardのほかのオフラインモデル(Parakeet、GigaAM、T-one、Vosk)は、リアルタイムの音声入力専用です。Whisperには5つのサイズがあり、大きいほどミスは減りますが、処理は遅くなります。

FILESでの名前サイズ向いている用途
瞬速 · Tiny75 MB動作確認。まともに使えるのは、はっきりした英語だけ
高速 · Base142 MB音質のよいシンプルな録音。英語以外はかなり弱い
バランス · Small466 MBグラフィックカードのないパソコン。主要言語ならまずまず
最良 · Large v3 Turbo547 MBおすすめ。Large v3に近い精度で、数倍速い
最高精度 · Large v31,031 MB雑音、なまり、複数の話者。低速

まずはLarge v3 Turboから始めてください。日本語の録音には、Large v3 TurboかLarge v3が向いています。1時間の録音に時間がかかりすぎるならSmallに、雑音が多く話者が複数いる録音でミスが目立つならLarge v3にします。手元にWhisperのモデルファイル(.binか.gguf)があれば、同じウィンドウの「独自のモデルファイル…」で使えます。サイズの詳しい比較は「オフラインモデルのダウンロード」にあります。

グラフィックカードか、プロセッサーか

VoiceKeyboardの中で、速さがハードウェアに左右されるのがWhisperです。SETUP → ファイルには「自動(推奨)」「NVIDIA グラフィックカード · CUDA」「高速化プロセッサー · BLAS」「通常のプロセッサー · CPU」の4つがあります。「自動」はファイルごとに、使える中でいちばん速いものを選びます。NVIDIAのカードがあれば、Whisperはプロセッサーより数倍速く動きます。CUDAとOpenBLASのエンジンは、速くできる場面で初めて案内が出て、了承した場合にダウンロードされます。

FILESの4つ目のランプ(SRC、OUT、MDLの隣)に、いま使われているものが表示されます。NVIDIAのカードがないノートパソコンでは、1時間の録音をLarge v3 Turboで処理すると長くかかります。Smallを選ぶか、パソコンを使わない時間に始めるとよいでしょう。各方式の確認方法は「ファイルの文字起こしを速くする」で説明しています。

録音の言語

LANGUAGEの初期設定は「自動」です。Whisperは最初の約30秒を聞いて言語を決め、ファイル全体をその言語で処理します。日本語の講演が英語のあいさつで始まる場合などは、判定を誤ることがあります。そのときは言語を自分で選んでください。一覧には12言語があり、表記は英語で、日本語はJapanese (ja)です。一覧にない言語(ヒンディー語など)は「自動」でしか使えません。

長い録音とたくさんのファイル

  • 長さ。無料版は60分までの録音、Proは長さの制限がありません。処理の前に、音声は1時間あたり約115 MBの作業用ファイルに変換されます。Windowsの一時フォルダーがあるドライブに空きを確保してください。このファイルは処理後に削除されます。
  • 複数のファイル。Proでは「参照...」の画面でCtrlを押しながら選ぶか、複数のファイルを画面にドロップします。ファイルごとに.txtができます。BATCH PROGRESSに各ファイルの段階が表示され、行をクリックするとそのファイルのテキストが見られます。CUDAではグラフィックカードで1つずつ、プロセッサーでは論理プロセッサーが8つ以上あるパソコンなら2つ同時に処理します。
  • 処理のあいだ。LIVE画面で音声入力を続けられます。処理中に終了しようとすると、「ファイルを文字起こし中です。終了して文字起こしを中止しますか?」と確認されます。

パソコンで処理するか、クラウドに送るか

FILES(パソコン上のWhisper)オンラインサービスにアップロード
音声の行き先どこにも行かず、パソコンに残るサービスのサーバー
速さを決めるものプロセッサーかグラフィックカードサービス側
インターネット最初のダウンロードだけ大きなファイルでも毎回アップロード

パソコンが古くNVIDIAのカードもなく、数分以内にテキストが欲しいときは、オンラインサービスのほうが向いています。処理を他社のハードウェアが担うからです。VoiceKeyboardはファイルをどこにも送りません。オンラインエンジンのGoogleとSonioxは、マイクに話した声をリアルタイムで入力するためだけのものです。

ファイルの文字起こしのFreeとPro

FreePro
数1日にファイル1つと動画リンク1件無制限
長さそれぞれ60分まで無制限
同時処理1つずつ複数のファイル、リンクのキュー
タイムスタンプなしあり(各フレーズの前に[00:01:23])
Whisperのサイズ、グラフィックカードすべてすべて

無料の枠は深夜0時に戻り、完了した文字起こしだけを数えます。失敗したファイルや、60分を超えていたファイルでは枠は減りません。FILESは、無料版の音声入力の1日2,000語にも影響しません。Proは月額$14.99、年払いなら月額$9.99で、14日以内なら返金できます。

録音の文字起こしについてのよくある質問

1時間の録音にどれくらいかかりますか?

パソコンとモデルによって変わるため、VoiceKeyboardでは目安の時間を示していません。CUDAを使うNVIDIAのカードはプロセッサーより数倍速く、SmallはLarge v3 Turboより速く動きます。進み具合は、ステータス行のDECODING…の後のパーセントでわかります。

誰が話したかはわかりますか?

いいえ。話者名のない、ひと続きのテキストになります。タイムスタンプ(Pro)があれば、録音の該当箇所を探して聞き直せます。

字幕やWordの文書にできますか?

保存されるのはふつうの.txtです。Wordで開くか、「コピー」で好きな場所に貼り付けてください。.srtの字幕は書き出せません。

動画をリンクから直接文字起こしするなら、YouTube動画を自分のパソコンで文字起こしする方法をご覧ください。VoiceKeyboardがパソコンに何を保存し、何を外に送るかは「プライバシー:パソコンの中に残るもの」にまとめています。

日本語表示のVoiceKeyboardの画面。上部バーのLIVEとSETUPのあいだにFILESボタンがあり、ここから録音を文字起こしする画面が開きます。